経済同友会代表幹事の電子マネー発言について(その1)

先日、Yahooニュースでこんな記事を見つけました「経済同友会 桜田謙悟代表幹事『現金給付は電子マネーで』 発言の引責辞任をされてはいかがか」。
正直私は、経済同友会の代表幹事がどういった経緯でこの趣旨の発言をし、またこの記事の筆者である藤田孝典氏(NPO法人ほっとプラス理事 聖学院大学心理福祉学部客員准教授)の主張するように、この発言が引責辞任をすべきほど重いものなのかはわかりません。

しかしながら、大勢の方がスピーディな現金給付を望む中で(ただ私は、給付にあたって所得等の線引きが必要だと考えています(「たむけんの所得補償?(その2)」「同(その3)」参照))、あまりに的外れだと感じました。

平常時であれば、経済学でこうした財政支出の問題を扱うときには、景気を刺激するためのお金がその意図に反し貯蓄に回ってしまうことを考慮し、現物給付という選択肢もありえます。
ただ今回の社会を取り巻く状況を考えた場合、10万円の現金給付が貯蓄に回ってしまう可能性を心配する必要なんて、果たしてあるでしょうか。そんな心配をするのは、もう既に十分な所得を得て、財産も十分に備えているような人達だけでしょう。
コロナウイルスの蔓延に伴う長期の営業自粛等は、確実に生活を脅かしています。いつ手元のキャッシュが尽きるのか、そうした切迫した事態に直面している対象者が大勢いるでしょう。この度の10万円の現金給付は、従来の景気刺激策というより、生活保障策という側面の方が大きい特殊事例だと思います。

コロナウイルスへの対応を、人類とウイルスとの戦争であると表現したニュースをどこかで見ました。まさにその通りだと思います。発生源については天然ではなく人工的なところがある等、様々な情報がありますが、こうなってしまった以上は人類とウイルスとの戦いだと思います。
しかしこうした状況においても、各々の団体が自分たちの利益になるような主張を続けることには、本当に疲れます。コロナ疲れというよりは、コロナウイルスをきっかけとした人間の醜さに疲れたといった感じです。

ところで、今回の「現金給付は電子マネーで」発言で思い出したことがあります。それは2019年10月1日からの消費税率引上げに伴い、経済産業省が推進してきた「キャッシュレス・ポイント還元事業」です。
事業を進める理由としては、キャッシュレス対応による生産性向上や消費者の利便性向上など、当然実利を踏まえたものだと思っています。但し、先のような発言があると、電子マネーの利用を進めるこうした事業においても、色々な団体の色々な事情が裏にはあるのだろうなぁと、多少見方が変わってきてしまいます。
ただ、勘ぐっても何も得るところがないので、次回では純粋にこの事業の経済効果を見ていきたいと思います。

(「その2」へ続く)

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。