小学校の授業再開時期の延長について

新型コロナウイルスの影響で、子どもの通う小学校や幼稚園が臨時休校・休園になり、またその期間が延長されたことは前に紹介しました。そして未だに収束しないウイルスの影響を危惧し、さらに授業再開時期を延長する旨、先日小学校から連絡がありました。おそらくそれを受けて幼稚園からも近く連絡があるでしょう。
私は4月中の授業再開時期の延長を、支持します。理由は、以前からこのブログで書いているとおりです。

ところで先日、(公財)日本小児科学会が「新型コロナウイルス感染症に関するQ&Aについて」を発表しました。その中で、「Q 保育所、幼稚園、学校などに行くことは控えたほうが良いでしょうか」という問いに対して、「A: 現時点では、国内の小児の患者は少なく、多くは成人の感染者からの伝播によるものですので、保育所、幼稚園、学校などへの通園、通学を自主的に控える理由はありません。(以下省略)」と答えています。
私の住んでいる自治体の教育委員会が、こうした意見に引っ張られなくて本当に良かったと思います。

私は疫学や医学の専門家ではもちろんないので、そうした方面のことは全く理解が及びません。しかしながら統計学等の基礎くらいはわかっているので、この日本小児科学会の言っていることが危険であることは、直観的に理解できます。
疫学的な知見から、子どもから子どもへうつることがないと確証があるなら良いのです。しかしながら、これまでの流行の傾向を見て「多くは成人の感染者からの伝播によるものですので、保育所、幼稚園、学校などへの通園、通学を自主的に控える理由はありません。」と単純に言っているのならば、この回答は削除するべきです(と、直接伝えたいのですが、公式ホームページ上に問合先等の記載がありませんでした)。
なぜなら、多くの学校や幼稚園が臨時休校・休園する中で、子どもから子どもへの感染経路が大きく制限されてきたのは、誰の目から見ても明らかだからです。そもそも子どもから子どもへの感染経路を断つことを目的に、教育現場の混乱を引き起こしてまでも臨時休校・休園を強行したはずです。そうした条件下であれば、子どもへの感染源は両親等ごく身近な成人でしかあり得ないことは、当然の帰結です。
「実験室の中でウイルスに関する実験を行っていたところ、実験室の外では誰もウイルスに感染しなかった。よって実験室の外にウイルスをバラまいても誰も感染しないだろう」ということにはならないでしょう。
同ホームページ内で、「可能な範囲で通常の日常生活を続けることも子どもの成長や発達には不可欠なことです。」と紹介されており、感染対策と子どもの成長や発達の両方を考慮された上での判断とも理解できます。
私だって子どもを一日中狭い家の中に閉じ込めることが、一番の解決策であるとは思っていません。但し、今は慎重すぎるくらい慎重で良いと思っています。まず大人の感染で知見を深めてから、子どもを解放するべきだと考えます。

話は脱線しますが、経済学という学問は経済的な事象の因果関係を解き明かそうとする学問です。相関関係ではありません。「政府支出を幾ら増加させれば、経済は幾ら豊かになるのか」といった具合です。「政府支出と経済的な豊かさには相関関係がある」で終わって良い学問ではないのです。ましてや「経済が豊かになったから政府支出を増やすべし」ではないのです。
また、2つの事象の相関関係をありのまま捉えることが、時には誤りとなることもあります。1つの例があります。どこかの社会学者が身長と所得に関する相関関係を見て、身長が高くなるとその人が魅力的になり、それがその人の成功につながり、最終的に所得が増加するのだという結論を出していました。
(かなり過去のことで記憶が定かではないのと、データの詳細まで踏み込んで当時読んだ訳ではないので(その価値がないと思ったので)、誤っていたらごめんなさい。)
この結論を受けて、みなさんはどう思いますか。私は明らかにミスリードだと考えます。身長と所得の間に強い関係があるのではなく、例えば身長が極端に低いことは幼少時に栄養状態が悪かった現れであり、また親の所得が低かった現れであるはずです。
親の所得と子どもの所得の間の強い関係はよく知られており、また親の所得に余裕があればその分子どもの教育にお金がかけられることは容易に想像がつきます。つまり、身長と所得に関する結論は、その裏にある親と子の所得に関する結びつき、所得と教育に関する結びつきを捉えそこなったお粗末なものだと理解できます。

上で紹介した日本小児科学会の回答が、相関関係だけに着目したものではない、その裏で考えられ得る可能性を熟慮した上で出されたものであることを切に願います。

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