ライフプランニングその2(iDeCo)

前回の投稿「ライフプランニングその1」で、公的年金からの家計収入が月額226,067円であることがわかりました。今回は、その額で果たして十分なのか、そうでなければ、公的年金以外でどう備えたら良いのか、を見ていきたいと思います。

それではまず、老後の一般的な支出の状況を見ていきましょう。(公財)生命保険文化センターによると、老後2人世帯の1月の支出は265,634円(税・社会保険料等を含む)だそうです。この中には、教養娯楽費24,268円や交際費23,273円も含まれていますので、そういった支出を削ぎ落せば公的年金だけで暮らせないことはないかもしれません。

但し、実際には教養娯楽費や交際費を一切使わない引きこもりのような生活を続けることは難しいと思いますし、有事に備えてある程度の経済的余裕は必要でしょう。
そこで、支出265,634円と収入226,067円との差額約4万円を埋める方法を考えていきましょう。

真っ先に思い付くのは退職金の取り崩しでしょうが、ここでは話を簡単にするため無視します。というのは、退職金は人によって差が大きいですし、住宅ローンの返済に充てたり、正規職員退職後の給料減額に充てること等から、老後の生活原資として頼ることが危険なためです。

そこで、退職金以外の方法を探ります。
私が紹介したいのは、個人型確定拠出年金(iDeCo)です。
一度は耳にしたことがあるかと思いますが、私は現在、このiDeCoを家計が苦しいながらも毎月1万円ずつ積み立てています。35歳から始めているので、60歳まで25年間積み立てるとして、10,000円×12月×25年=3,000,000円の年金原資が用意できることになります。

iDeCoについては、幾つか注意点があります。一つ目は、必ずしも元本が保証されないということです。個人型確定拠出年金という名の通り、確定されているのは拠出額であって年金額ではありません。自分が選択した投資商品の運用結果次第では、マイナスになり得るのです。
二つ目は、運用するにあたって口座を開設した金融機関や国民年金基金連合会に対する手数料がかかるので、年金原資が一部削られるという点です。なお、金融機関によってかかる手数料がまちまちなので、手数料の安いところを探す必要があります(私は当時一番手数料の安かった楽天証券で口座を開設しています)。

ここまで聞くと、iDeCoに関するデメリットしか見えてこないと思います。運用に失敗すればその分原資が減ることになり、かと言って安全な投資商品を選んでも手数料によって原資が減ってしまう。以下では、iDeCoに関するメリットがそのデメリットを上回ることを紹介します。

iDeCo最大のメリットは、税制上の優遇措置です。具体的には、掛金が全額所得控除になるので、例えば所得税率10%の私のケースだと、10,000円×12月=120,000円、そこに10%かけて12,000円分の所得控除となります。手数料は月々せいぜい数百円ですので、この所得控除の効果だけで手数料分は十分に取り返せるのです(住民税への節税効果も考慮すると、さらに10%上乗せ、合計の節税効果は24,000円となります)。

ちなみに私は、自身に相場観がないことがわかっているので、元本確保型の投資商品を選んでいます。手数料のことを無視すれば、初年度は実質的に年利20%(所得税と住民税分合わせて)の安全な投資商品を運用しているのと同じ効果です(次年度以降は低利率に甘んじる訳ですが)。iDeCoは活用する価値が十分ある制度だと考えています。

話を元に戻して、iDeCoで用意した3,000,000円で、一体何年暮らせるのでしょうか。月4万円の差額を充てるとすると、40,000円×12月で年額480,000円、65歳から71歳までの6年間を生活できることになります。
男性の平均寿命が81.09歳、女性が87.26歳( 厚生労働省「簡易生命表」2017年より)であることは先の投稿で紹介しましたが、これだと寿命の短い男性でも、あと10年分足りません。

私のケースでは、毎月10,000円の拠出でしたが、会社に厚生年金基金などの制度がないサラリーマンの場合、最大23,000円まで拠出することが可能です。
その場合、23,000円×12月×25年=6,900,000円で、約14年分、79歳までの用意ができます。

平均寿命までかなり近づいてきましたが、まだ十分とは言えないですね。人によっては、不足分を積極的な運用で補おうと思うかもしれませんが、私はそこまでアグレッシブな運用は怖くてできません。
先ほどiDeCoの注意点を挙げました。最後の注意点、というか当たり前の話ですが、iDeCoは掛金の上限額が決まっているため、運用に失敗した場合、その失敗分を取り返すために次回以降の掛金を増額するということができません。一回の運用失敗が、その後尾を引く大きな痛手となるのです。

そこで、次回の投稿では、iDeCo以外で年金原資を用意する方法を考えていきます。