「007 トゥモロー・ネバー・ダイ」から思うこと(その3)

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ホリエモン=前科者ということで1件思い出しました。もう半年以上経ちましたが、週刊文春が吉本芸人であるEXITの兼近の前科について報じたことです。

この件で文藝春秋社は、兼近が社会的に影響力が大きい存在であることを理由としてその正当性を訴えました。しかしここで言う社会的に影響力が大きいとは、通常は政治家などの公人(私人にその適用を拡大したとしても、せいぜい大企業の社長など)を指すものと捉えられてきたはずで、これからもそうあるべきだと思います。

広くメディアに露出しているとは言え、いち芸能人であり公人ではない私人の前科情報を、こんなに広く世間に公表して良い理由ってありますか?

文藝春秋の論理で言ったら、社会的に影響力が大きければ前科情報は全て公表すべきということになります。兼近の少女買春斡旋なんかより(と言っては失礼かもしれませんが)、よほど社会に大きな衝撃を与えた凶悪事件が幾らでもあります。社会正義みたいなことを盾にするなら、芸能人のゴシップなんて追っかけていないで、そっちに力を入れてくださいよと。バランス感覚おかしいですよ。

メディアは第四の権力であるはずです。その権力の無駄遣いというか、権力の乱用というか、その強大な権力に責任は伴わないのでしょうか。

その強大な権力の乱用ということで、もう1件あります。これも同じく週刊文春に関するものです。
もう5年以上も前のことだと思いますが、元AKBのさっしーこと指原莉乃のスキャンダルが話題になったことがあります。

確か当時AKBは恋愛禁止(今も?)となっており、元カレを名乗る男がさっしーとの情事を赤裸々に暴露したことで、さっしーはグループをクビにならなかったものの、HKTへ飛ばされてしまいました(この表現も適切かわかりませんが)。
アイドルだから恋愛禁止、というのがそもそもおかしいと思うのですが、この際それは置いておきます。

本当におかしいのは、恋愛中の2人だけの秘密を、人として恥ずかしげもなく週刊誌に売ってしまう元カレのその神経です。相手の気持ちを全然考えないんですよね。相手が自分を信頼してくれているからこそ2人だけの秘密ができるのに、それを平気でバラせるその神経が理解不能です。

そして同じくらいおかしいのが、そんなおかしな人間からネタを買い取る週刊誌の姿勢です。
当時さっしーは未成年?それとも20歳くらいにはなっていたのでしょうか。ともあれ、そんなネタで稼ぐなんて、大人として、人としてのプライドが全くないです。
というより、そんなゲスなネタで稼げるということを世間に知らしめた罪は非常に大きいと思います。リベンジポルノで加害者側が金を稼いだと共に被害者側に社会的ダメージを与えたってことですから。誰がどう考えたっておかしいですよ。そこに正義は1ミリもないです。

以上、芸能人2人の事例を挙げました。メディア側に問題があるのは当然ですが、その先にある受け手の姿勢にも問題があると思っています。受け手にそうした話題を提供しても問題がない、いやそれどころか大きな金になるということが、メディアの歪んだ姿勢を作っています。スーパーでゴキブリ入りのカップ麺を買わないのと同じように、それ自体がゴミである情報を買うのは、そろそろやめにしませんか。

(終わり)

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