たむけんの所得補償?(その2)

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先に紹介した所得補償と同じくらい最近よく耳にするのが、国民一人当たりに一律10万円なり30万円なりを(所得に関係なく無差別に)ばらまけというものです。
これは一部の政治家もそうですが、特に経済の仕組みをよくわかっていない芸能人その他から頻繁にあがっているように思えます。聞こえはもちろん良いですから、国民に寄り添った発言として受け入れられますよね。かく言う私も、もちろんもらえるものはもらいたいです。
しかしながら、後ほど見ていきますが、これはかなり危険な策と言えます。

日本の人口が約1億人として、世帯ではなく国民一人を単位とし、さらに所得に対する何の基準も設けずに10万円ずつばらまく場合、その原資として10兆円が必要となります。30万円ずつばらまくなら30兆円です(金額が大きすぎて桁間違えてないですよね)。

この数字はどの程度のスケール感なのでしょう。

参考として国家予算を持ってきます。2020年度の当初予算案が約100兆円です。これは道路の整備や国防等、国民を取り巻くあらゆる分野に必要な施策を実行する上で必要な金額を積み上げた数字です。
コロナウイルス対策単独(ここにはまだ休業店舗への所得補償等は考慮に入れていない状態)で、国家予算の10%なり30%を充てることが、果たして現実的な対応と言えるのでしょうか。
政府が慎重になっている、議論を積み上げる必要があると考えるのは、ある意味当然のことではないでしょうか。もちろん、スピーディーさに欠けては元も子もない訳ですが。

国家予算の次に、例年の国債発行額と比較してみます。どうせ平時でも赤字国債をじゃんじゃん発行しているのだから、こんなときにケチってもしょうがないと簡単に考えるかもしれません。
しかしこれも話はそう簡単ではありません。
参考までに2019年度の補正後の特例国債(赤字国債)の発行額を紹介すると、その額は約28兆円です。上で国民一人当たりに30万円ばらまいたときに必要となる30兆円とほぼ同額です。
未曾有の事態のため、均衡予算の議論が無意味なのはわかりますが、昨年度から倍額の赤字国債を発行することについて、手放しで受け入れる人がいるでしょうか。芸能人等はここまでの金額のスケールを理解して発信していますかね。そうでないのなら、あまりに無責任な姿勢だと思います。

以上の金額のスケールから、国民に対して現金給付する上で所得等の線引きをし、その金額を少しでも抑えることが必要だと私は思っています。但しスピーディーさを失ってはいけない。それではどうしたら良いのか。素人のながら一つの案を考えてみましたので、次回紹介したいと思います。

(追記)
上の文章を書いているときには不確かだった現金給付の話が、16日に国民1人当たり10万円として2020年度補正予算案を組み替える方針で決定されました。

(「その3」へ続く)

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